2024.06
イタリアのネクタイと日本のネクタイ
世界的にシルクのネクタイといえば、フランス、イタリア、イギリスが有名です。
生地の雰囲気には産地ごとに違いがあり、それぞれの良さがあります。
もう少し細かく見ていくと機屋さんごとに得意としている生地に違いはあったりするのですが、 その国全体として何となく雰囲気が似てくる部分があります。

イタリアにおいてのシルク製品の産地はComo(コモ)という都市になります。
ミラノの北部、スイスとの国境に近い位置にあり、ヨーロッパでも有数の避暑地として知られているコモ。 その中心にあるコモ湖の周りは山々に囲まれていて、自然豊かでとても素敵な街です。
ミラノからも列車で1時間あれば行くことができるので、訪れた方も多いのではないでしょうか。
じつは高級リゾート地としてではなくシルク製品の産地としても知られていて、 コモには現在も多くの機屋さんがあります。
私たちもイタリアの機屋さん用としてジャカードデータを作ったり、工場にお邪魔したりと馴染み深かったりします。

そんなイタリアのネクタイ生地は日本のものとは風合いが少し違います。
デザインや配色などの感性の違いはひとまず置いておいて、大きな違いは経糸(たていと)の密度です。
日本の経密度より10~15%ほど高い密度で設定されていることが多く、
見た目は軽やかでも生地としてしっかりしている。 そんな生地の特徴があります。
ネクタイ生地を織る場合、デザインや使う組織によってある程度の打ち込み(目付)を入れないと、 柄がきれいに出なかったり、生地から糸がほつれてしまったりすることがあります。
そうならないようにするため打ち込みを入れるか、生地をしっかりさせる目的で裏側に糸を走らせたりします。
ところがイタリアの生地というのは経密度がある分、そんな事をしなくても十分に生地がしっかりしてくるのです。
なのでイタリアのネクタイは、重くてぼってりしているより軽やかなものが多いのだと思います。

そんなイタリア生地の雰囲気を感じられるように日本の機屋さんの仕様で表現したのがこちらのネクタイです。
小さな遊び心と軽やかな生地感をお楽しみください。
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Date
2024.06.12
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Category
デザインや色の話


